【連携活動報告】2025年ゼロエミッションへの設計図
- 2 時間前
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《東京都の住宅政策と現場をつなぐ“TBN”》
東京都では、2050年の「ゼロエミッション東京」実現に向け、住宅分野における省エネ・再エネ化の推進が加速しています。
TBNは、東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームの一員として、住宅業界の現場視点を行政へ届けるとともに、制度や技術情報を現場へ還元する活動を行っています。
その取り組みは、大きく2つの柱で構成されています。
① 連絡協議会での意見交換
東京都や関連団体との分科会・連絡協議会へ継続的に参画し、
木材利用促進
木造集合住宅の設計推進
建築物省エネ法への対応
戸建・集合住宅の断熱性能向上
改修・リフォーム時の省エネ化
など、多岐にわたるテーマについて意見交換を実施。
現場の課題や実情を行政に届け、より実効性の高い政策づくりに貢献しています。
② 現場技術者向け講習会の開催
東京都の補助制度を活用し、TBNでは実務者向け講習会も開催。
令和7年度には、全4回の「省エネ住宅設計・施工技術向上講習会2025」 を実施しました。
対象は、
工務店スタッフ
設計事務所スタッフ
現場監督
大工職人
など、実際に家づくりに携わる方々です。
これから地域工務店に求められる新しい役割

今後、住宅業界では
2030年 温室効果ガス50%削減(カーボンハーフ)
2050年 ゼロエミッション東京
という大きな目標に向け、さらに高い性能水準が求められます。
個々の工務店だけで対応するのが難しい時代だからこそ、TBNのようなネットワークによる情報共有・技術連携が重要になっています。
【柱1】東京都との連携強化
私たちは、東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームの連絡協議会・分科会へ継続的に参加しています。
この取り組みでは、東京都が進める住宅の省エネ政策や補助制度などの最新情報をいち早く把握し、現場の住宅事業者としての視点から意見交換を行っています。
主な参加内容
・第1回分科会(7月2日):木材利用促進・木造住宅設計に関する協議
・第4回分科会(9月12日)」改正建築物省エネ法の施行に伴う事業課題等の意見交換
【競技テーマの網羅性】あらゆるストックに対するアプローチ
これからの住まいに必要な「省エネ性能」

TBNは特定の領域に偏ることなく、省エネ・高気密化に向けた「すべての住宅形態」において網羅的に意見交換をしています。
【柱3】補助金の戦略的活用
現場技術者へ学びを還元する仕組みづくり
私たちは、東京都の補助制度を有効活用しながら、住宅業界の現場で働く技術者の育成につながる取り組みを進めています。
今回活用したのは、東京都「省エネ・再エネ住宅普及促進補助事業(団体向け補助金)」 の技術力向上枠です。この制度を活用することで、補助金を単なる資金支援として消費するのではなく、地域工務店や現場技術者の成長につながる“未来への投資”として活かしています。
《具体的な取り組み内容》
1. 東京都の補助金を活用
住宅の省エネ化・再エネ化を推進する東京都の制度を活用し、現場技術者向け教育事業の実施体制を整えました。
2. 業界団体・企業による協働企画
TBN(JBN連携団体)と、株式会社参創ハウテック などの民間企業が連携し、現場に役立つ実践的な学びの場を企画しています。
3. 実務者を対象にした内容
対象は、都内の工務店スタッフ、設計事務所スタッフ、現場監督、大工など、実際に現場で手を動かす技術者です。制度を知るだけでなく、すぐ現場で活かせる内容を重視しています。
4. 技術向上講習会を実施
令和7年度には、「省エネ住宅 設計・施工技術向上講習会2025」 を全4回開催予定。設計・施工の両面から、省エネ住宅に必要な知識と技術を学べる機会を提供します。
地域全体の技術力向上を目指した実践型講習会の開催
私たちは、東京都の住宅業界全体の技術底上げを目的として、「省エネ住宅 設計・施工技術向上講習会 2025」 を開催いしました。
これからの住宅業界では、省エネ性能・断熱性能・施工精度など、住まいの品質を支える技術力がますます重要になります。本講習会は、そうした時代に対応できる人材育成と、地域全体の住宅品質向上を目指した取り組みです。
●開催概要
令和7年度は 全4回開催予定。各回30名〜最大90名規模で、実務に携わる多くの参加者が集まる講習会として実施します。
●対象となる方
対象は、住宅会社や設計事務所のスタッフだけではありません。
工務店スタッフ
設計事務所スタッフ
現場監督
大工職人
など、実際に現場で家づくりを支える方々まで幅広く参加いただける内容となっています。
現場に直結する知識と技術を学べる、実践的な講習会です。
●第一線で活躍する講師陣
講習会では、住宅業界の第一線で活躍する専門家を講師として招いています。
辻先生(岐阜県立森林文化アカデミー)
清水一人氏(ダイシンビルド)
古川繁宏氏(住まい環境プランニング)
など、実務・設計・環境性能の各分野で高い知見を持つ講師陣から学べる貴重な機会です。
●開催目的
この講習会は、自社の技術向上だけを目的としたものではありません。
東京都内の工務店・住宅事業者・現場技術者が共に学び、地域全体で住宅性能を高めていくことを目的としています。
省エネ住宅の知識向上
設計・施工品質の向上
現場力の底上げ
地域工務店ネットワークの強化
こうした広い視点で、住宅業界全体の成長を支えていきます。
設計から施工まで一貫して学べる実践型カリキュラム
講習会では、省エネ住宅づくりに必要な知識を、設計フェーズから施工フェーズまで段階的に学べる内容となっています。
第1回(2025年8月7日):エネルギー推計編 -設計①-
一次エネルギー消費量の推計方法を学ぶ。省エネ住宅設計の理論的基盤を構築。
第2回(2025年9月29日):エネルギー削減編 -設計②-
推計に基づく具体的な一次エネルギー消費量の削減方法の考え方を習得。
第3回(2025年11月20日):断熱・施工管理編 -施工①-
現場での省エネ住宅の施工方法と施工管理について、約90名画参加し、設計と現場の意識
を統合。
第4回(2026年1月19日):防露編 -施工②-
結露を起こさない省エネ住宅の計画・施工メンテナンスについて実例ベースで整理。
講習会が生み出す本当の価値とは
数値と現場、そのギャップを埋める学びの場
省エネ住宅や高性能住宅が求められる今、住宅業界では「設計の理論」と「現場の施工力」の両方がこれまで以上に重要になっています。
しかし実際には、
設計上は高性能でも、現場で再現できていない
数値は良くても、住み心地につながっていない
現場経験は豊富でも、最新の省エネ知識が届いていない
といった“理論と現場のズレ”が起こることも少なくありません。
今回の 省エネ住宅 設計・施工技術向上講習会2025 は、そのギャップを埋めるための実践的な学びの場です。
●理論・設計の視点
数値で語れる住宅づくりへ
これからの住宅業界では、感覚だけではなく、性能を数値で説明できる力が求められます。
講習会では、
エネルギー消費量の推計と削減効果の考え方
建築物環境報告書制度に対応する設計プロセス
第一線の専門家による最新知識の共有
など、設計者・経営者・実務者が知っておくべき理論を学びます。
「なんとなく良い家」ではなく、根拠を持って提案できる家づくりへ。そのための知識を身につける機会です。
●現場・施工の視点
つくれる技術があってこその高性能住宅
どれだけ優れた設計でも、現場で実現できなければ意味がありません。
講習会では、
高断熱住宅で注意すべき結露(防露)対策
実例をもとにした施工上の注意点
若手大工・職人同士の交流と切磋琢磨
など、現場で本当に役立つ知識や技術共有も行います。
図面上の性能だけではなく、“住める性能”へつなげることが重要です。
設計力 × 施工力 の両輪が地域を強くする
今回の講習会は、単なる座学ではありません。
地域工務店に必要な「設計力(暮らしを考える技術)」と「施工力(形にする技術)」の両軸
を同時に高め、地域全体の住宅品質向上を目指す取り組みです。
東京のゼロエミッションを駆動する循環エンジンとして
協議会でのマクロな方針策定と、現場でのミクロな技術支援。TBNはこの循環を回し続けることで、自社のみらなず、東京都の工務店全体のレベルアップを牽引し、「カーボンハーフ」そして「ゼロエミッション東京」の実現に向けた確かな架け橋となることを目指します。

